開業には多くの準備と知識が必要であり、計画的な行動が求められます。このため、開業を考えている方にとって、しっかりとした情報収集は欠かせません。
本記事では、心療内科を開業するために必要な資金の準備方法、収入の見込み、設備や施設について解説します。
開業資金の目安は、広島市内で戸建てを購入しようとした場合、土地や建物の費用が約3,400万円~※1、テナントであれば約22万円~※2となります。そして必要な設備に約400万円※3です。
ただし、心療内科は大きな購入が不要なため、開業資金が抑えやすい傾向にあります。設備もどこまで揃えるかによっても変わりますが、購入額を100万円以下に抑えることも可能です。
また、自己資金がなくても、銀行からの融資を利用して資金を調達します。融資を受ける場合、詳細な事業計画書が重要なポイントとなります。
※2参照元:2024/12/03時点の情報 広島市安佐北区 三入東1丁目 の貸店舗|アットホーム(https://www.athome.co.jp/rent_store/6981312111/)
※3参照元:FPサービス(https://www.doctorsupportnet.jp/kamoku/seishin.html)
心療内科の開業を成功させるためのポイントはいくつかあります。
心療内科の患者は、通院していることを他人に知られたくない傾向にあるため、テナントビルの2階以上に開業しても問題ありません。表通りから一本入った場所に位置することで、患者さんのプライバシーに配慮できます。
患者さんがリラックスできる環境を整えるため、内装には落ち着いた色合いを使用し、プライバシーを保てるように待合室に仕切りを設けるが推奨されています。患者さんが気軽に相談できる環境を提供してください。
患者はインターネットでクリニックを探すことが多いため、ブログやSNSを活用して集患を行うことも有効です。WEBマーケティングに力を入れるといいでしょう。患者さんに分かりやすく安心感を与えるホームページを作成することも効果的です。
心療内科の開業後の収益についても確認しておきましょう。
※広島県の心療内科の平均年収に関する具体的なデータは公開されていないため、全国平均となります。
心療内科の個人クリニックの年収は、収益から経費を引いたもので決まります。1か月の収益は約654万円で、そのうち経費(人件費、医薬品費など)は約438万円です。
その結果、1か月の利益は約216万円、年収にすると約2,587万円です。これはあくまで平均的な数値で、地域や患者数、経営方法によって変動します。
医療法人での心療内科クリニックの月間収入は、診療報酬が約1,144万円、経費を差し引いた後の収益が約11万円となります。
これを年収に換算すると約129万円です。医療法人として経営する場合、理事やスタッフの報酬が大きく関わるため、個人開業に比べて収入は抑えられがちです。
参照元:2019年調査|厚生労働省 中央社会保険医療協議会 第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files)
心療内科の収入源は主に診療報酬です。心療内科の診療報酬は診療時間の長さによって変動します。通院精神療法やカウンセリングなどは、時間が長ければ長いほど報酬が高くなる仕組みです。
このため、患者一人一人に丁寧な診療を提供することで、収益の向上につながります。
収入を安定させるためには、Webマーケティングを活用した集患対策が効果的です。SNSやホームページ、ブログを使ってクリニックの認知度を高めることで、初診患者の獲得しやすくなります。心療内科では、患者がクリニックへ行くのをためらうことが多いため、信頼できる情報を発信し、安心して来院してもらうための工夫が必要です。
オンライン診療への対応も重要で、通院が難しい患者に対しても診療できるようにすることで、患者の幅を広げることができます。
資金繰りのポイントとしては、固定費を抑えつつも必要な投資を行うことが求められます。例えば、内装の防音対策をすることで患者の安心感を高めることや、診療の質を向上させるためのシステム導入など、長期的に見て経営にプラスになる投資を優先しましょう。
このサイトでは、内科系クリニック、歯科クリニック、美容クリニックの診療科目別におすすめの開業支援コンサルタントを紹介しています。診療科目によって必要なサポートや戦略が異なるため、適切なコンサルを選ぶことが成功のカギとなります。広島でクリニックを開業する際のパートナー選びに、ぜひ参考にしてみてください。
心療内科を開業するためには、以下のような設備や機器が必要です。
プライバシーに配慮した内装や仕切りの設置も必須です。患者が安心して来院しやすい環境を整えることができます。
心療内科の開業には比較的少ない資金で始められる点がメリットですが、それでも十分な準備と計画が欠かせません。
立地や内装の工夫、ホームページを活用した集患対策など、患者さんに安心して通院してもらえる環境づくりが重要です。金融機関からの資金調達や広告戦略にも注意を払い、安定した経営を目指しましょう。
これらのポイントを押さえ、計画的に開業を進めることが経営の成功につながります。
様々な診療科目の中でも、代表的な医療分野の診療科目に強みを持つ3社をご紹介。自身に合った開業コンサルを見つけましょう。
※1 参照元:2024/10 タカラベルモント公式HPよりhttps://www.takara-dental.jp/startup/