勤務医から独立しクリニックの開業を目指す場合、「開業届」をはじめとする各種届出が必要です。クリニック開業に向けて必要な手続きを解説します。
クリニック開業の際、開業届の提出は「義務」です。税法上の手続きであり、事業を開始した日から1カ月以内に管轄の税務署に届け出る必要があります。(※1)
具体的には「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類を提出します。もし提出の遅れや未提出の場合、罰則はありませんが税務上の手続きが滞る可能性があるため、確実に行うことが求められます。
(※1)参照元:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
開業届を提出すると、税務上の優遇措置を受けられます。「青色申告」の選択が可能になり、次のようなメリットがあります。
参照元:一般社団法人 全国青色申告会総連合「青色申告の特典」(https://www.zenaoirobr.jp/sp/system/privilege.html)
税務署への開業届以外にも手続きが必要です。届出先、申請期限を押さえましょう。
税務署以外にも複数の行政機関への届出が必要です。保健所に対して以下の届出を行います。
医療法に基づき、開設後10日以内に保健所への届出が義務付けられています。広島の場合、各地域の保健所が窓口となります。
広島県での開業においては、広島県公式HPにて医療法にかかる申請書類の様式が掲載されています。開設許可申請書、開設届、病床に関する申請書、エックス線・診療用放射線関係の設置届など、病院・診療所・助産所といった病院の形態によって申請書が異なります。
また、広島市、呉市、福山市内にて開業する場合は、各市に許可申請が必要です。各市が定める様式がありますので、開業エリアに合った申請書類の様式を確認し、それぞれの市の保健所へ提出しましょう(※2)。
(※2)参照元:広島県公式HP(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/54/1226886689845.html)
クリニックの施設基準が法律に適合しているか確認されるため、設計図の提出も必要です。提出後に保健所の立ち入り検査が入る場合があります。
保険医療機関としての登録を行うために「保険医療機関指定申請書」を提出する必要があります。申請後、健康保険適用の診療を行うことが可能になります。
広島は厚生局中国四国支部が管轄で、申請後に審査が行われ登録が完了すると保険医療機関として正式に認可されます。申請から受理させるまで1ヵ月程度はかかるため、開業届から踏まえて事前にスケジュールを立てておくことが望ましいでしょう。
税務署や保健所、厚生局への届出以外にも、複数の書類が必要です。
これらの手続きを自分で行うことも可能ですが、必要な書類が多岐にわたるため、効率よく進めるために専門のコンサルタントや税理士に依頼するケースも少なくありません。
クリニック開業時の届出は、税務署、保健所、厚生局など複数の機関に対して行う必要があり、手続きも多岐にわたります。自力で調べて開業することも可能ですが、時間と手間がかかるため、通常の診療業務をこなしながら準備をすることはハードルが高いと言えます。
クリニック開業専門のコンサルタントに依頼すると時間や労力を削減でき、スムーズにクリニックの開業準備が進められるでしょう。
このサイトでは、クリニック開業を目指す医師の方に向けて、開業に必要な資格や届出の手続き、失敗を防ぐためのポイント、そして全体の流れをまとめています。開業準備を進める前に、まずは全体像を把握し、必要なステップを確認しておきましょう。
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※1 参照元:2024/10 タカラベルモント公式HPよりhttps://www.takara-dental.jp/startup/